Xpotentialでマーケティングを担当する清水です。
最近、「セールスイネーブルメント」という言葉を耳にするようになりました。でも、実際にどんなものかよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
営業やマーケティングの現場でよく使われるこの言葉、実は営業チームを強化して成果をアップさせるための超重要な仕組みなんです。本日はセールスイネーブルメントの基本から、それがどう役立つのかまで、弊社代表の山下にわかりやすく解説してもらいましょう!
■答えてくれた人
株式会社Xpotential 代表取締役社長 兼 CEO 山下 貴宏
法政大学卒業。日本ヒューレット・パッカード株式会社、株式会社船井総合研究所、マーサー・ジャパン株式会社、株式会社セールスフォース・ドットコム Sales Enablement本部長を経て、2019年R-Square & Companyを共同創業、2024年1月より現職
清水:セールスイネーブルメントって、まだ日本では馴染みが薄い言葉なので、改めてどういうものかを教えてください。
山下:そもそも「イネーブルメント」って言葉自体、日本人は耳にしない言葉ですね。セールスイネーブルメントを直訳すると、「営業が、売れるようになる」ってことです。
清水:なるほど、わかりやすいです!確かに「イネーブルメント」という言葉自体耳慣れませんね。
山下:「営業が、売れるようになる」っていうのが直訳なんですが、多くの会社が当然やっていることなんです。これって逆に言えば、「売れない営業も少なからずいる」って意味です。
営業組織全体で売れる状態にする取り組みを行い、売れない営業もちゃんと売れるようになる。それがセールスイネーブルメントです。
清水:営業の力を引き出し、成果につなげるという意味は、とてもわかりやすいです。これを社内で実践できれば、営業チームの活躍の幅が広がりそうですね。楽しみです!
どの会社も、すでに何かしらトライしているわけですよね?
山下:もちろん、どの会社も何らかの取り組みはやってはいるんです。そういう会社からすると、「何をいまさら?」みたいな空気もあって。例えば、育成のトレーニングを営業マン向けにやっているし、現場でOJTも導入しているし、状況を可視化するためにSFAシステムを入れましたとか。
清水:では、今までの取り組みで構わないし、セールスイネーブルメントなんて難しいワードを持ち出さなくてもいいのでは?と考えても不思議じゃないですよね。
山下:営業成果に向けて、色々な施策をきちんと一気通貫して設計できていないのが問題なんですよ。なので、営業の成果を起点にして、売れるためのトレーニングとか、営業向けの資料とか、営業向けのシステムなどを統合的に整備し機能させていくことがイネーブルメントの新しい部分なのです。
きちんとデータを活用するのもそうで、今までは「とりあえずトレーニングをやりました」で終わって、効果検証がされないまま放置されてしまったり、OJTもやるけど、人によってやり方がバラバラだったりします。
清水:よく聞くあるあるですね。
山下:SFAを入れてもデータが入っていなかったり、入力してもその結果何が営業現場で成果につながるかがわかっていない。いろんな施策がぶつ切りになってしまっているのを、ちゃんと営業の成果とゴールに向けて施策を設計して運用できていないケースが多いです。単発の施策だし、属人的だし、データに基づいていないですね。
今の施策をやり続けて、会社全体として「それで成果につながるんだっけ?」というところを振り返って、成果に向けて運用していく。プログラムがなければ、プログラムを提供していくという取り組みなんですよね。
成果を基点にしたいろんな育成施策であったり、システムの提供であったり、そういったものを統合的に運用していく営み……それがセールスイネーブルメントです。
清水:奇想天外なコンセプトっていうよりも、今まで存在していた概念を、整理したような印象ですね。
山下:そうです。私自身は営業の経験と、人事や人材育成の両方の経験があるので「両方ちゃんと組み合わせれば解決するのに」というシンプルな発想に至るんですけど。
清水:そうは考えない人がいるのはどうしてなのでしょうか?
山下:営業しかやったことない人は、営業のオペレーションにはすごく詳しいんですけど、育成についてはそうでもない。逆に育成や人事の人たちって人事・育成周りはわかるんですけど、営業の実務を知らないんです。だから両者をつなぐって発想に至らないんですよね。
本当は地続きなはずなのに、別々で運用されてるし、前提となる知識が揃ってないから営業の育成ってなったときに、「じゃあ外部講師を招いてトレーニングしますか」ってなってしまいがちなんです。
清水:外部の研修を頼んだり、みたいな話はよく聞きますもんね。
山下:、そう。研修だけで終わってしまったり、つながってないんですよね。営業育成するぞってなった瞬間に、みんな「研修だ、講習会だ」って言い出しますから。
研修は育成の一部ではあるけれど、研修が育成のすべてではない。僕の中では、営業と育成とIT活用の3つが、円グラフで混じったところがイネーブルメントなんですよ。
清水:こういうことですね。
山下:それぞれのエリアのエキスパートはいても、3つを俯瞰して見れる人はとても少ないんです。
清水:営業→人事→IT活用のプロになる…っていうキャリアパス、ほとんど人がたどらないですもんね。
山下:そう、たどらない。つまり、自然発生的にイネーブルメントのプロは生まれないということです。経営者からすると、「とにかく、最終的に成果に向けて営業がちゃんと売れる状態にし続けてほしい。そのためにイネーブルメントが必要ならやりましょう」というわけで、その状態を作るのがXpotentialへのオーダーなんです。
清水:部分最適ではダメで、全体最適しないことには根本解決しないんですね。
山下:それぞれの部門でいろいろやっています、投資もしています、取り組みもしています……でも、機能別に分業しているので効果検証がしにくい。もしくは何もされずに放置される。結局何がどうなったんだっけ?という問いに誰も答えられない……多くの営業部隊はそういう状況かなと思います。
清水:改善するために色々行動しても、誰が何の責任者なの?誰が数値を追うの?誰が計画を遂行するの?っていうのが曖昧なままだと、無駄骨になってしまうということでしょうか?
山下:つながった設計になってないと、努力が水の泡です。さらにいえば、設計したとして、それを運用できる人がいるようでいないっていう話もあって、実際の実行と運用って、難易度はそこそこ高いんですよ。
SFAの導入だけだったらIT部門と営業企画でベンダーを捕まえて、導入すればいいだけの話なんですけど、それって結局ツールの導入って話にしかならないんです。
成果に至るためには、きちんと運用を回さないといけません。細かい話をしていますけど、ここをやり切っている人や組織って、とても少ないんです。
清水:確かにそのイメージはあります。営業企画部には、プランニングできる人はいたりしませんか?
山下:いますね。なんなら現場でオペレーションを回す人もいます。でも、計画を実行してPDCAを回しつつ、「現場の実行力を強化できる人」がいない。
清水:それってもしかして…。
山下:「計画したから、あとは現場マネージャーでよろしく」で終わるパターンです。
清水:よろしくと言われても、営業マネージャーが実際に運用していくのはかなり難しいですよね。。
山下:マネージャーは数字を作るプロではあるけれど、育成のプロじゃありません。よって、どうしても我流にならざるを得ないんです。
清水:マネージャーには耳が痛い話ですね。
山下:でも、実際そうなんですよね。
清水:中にはちゃんとできているつもりになっているマネージャーも多そうですね。
山下:そうです。「育ててるし、実績を積んできたし、俺のやり方で成果出してきたぞ」みたいな。それが属人性の正体であり、根本的にばらつきを生む原因になっています。
清水:一方で、「どう育成するか?」「これでいいのか?」と悩んでいる営業マネージャーも少なくないと思います。
山下:育成できる営業マネージャーを育てられている会社は少ない。だから、各自に任されて、属人化してしまい、組織全体で最適化されていかない。
育てられる人がいなくて、データも活用できていなければ、営業組織の成果の最大化は難しいですよね。そのような状況を打破するために、組織横断的にイネーブルメントで強化するっていうのが、大事なんですよ。
清水:マネージャーの育成も大きな課題の一つですね。イネーブルメントの役割や重要性がよくわかりました。では、次の質問なのですが、なぜ今セールスイネーブルメントが注目されているんでしょう?
山下:長くなったので、それはまた次回に話しましょう!
清水:そうですね!今日はありがとうございました!次回も楽しみにしています!
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