成長し続けるイネーブルメント市場

「企業が継続的に営業成果を創出し続けること」を目的に、ITツールやデータを活用し、顧客の購買行動の視点から、組織横断的に全体最適な営業活動をおこなえるよう支援する取り組みとして近年日本でも注目を集めているセールスイネーブルメント。

遡ると、セールスイネーブルメントは1990年代のドットコムブームの中で誕生し、2010年以降テクノロジーの発展や顧客とのコミュニケーション手法の変化とともに、欧米企業を中心に急速な発展を遂げました。

「調査対象企業のうち61%がセールスイネーブルメント専門組織、あるいはプログラムを設け営業パーソンの育成に取り組んでいる」

調査対象企業のうち61%がセールスイネーブルメント専門組織、あるいはプログラムを設け営業パーソンの育成に取り組んでいる

海外の大手リサーチ機関であるCSO Insightsが2019年に発表した「Sales Enablement Report 」からも、セールスイネーブルメントへの注目度が年々上がっていることを伺い知ることができますが、パンデミックを経て市場はさらなる展開を見せています。

本記事では最先端をいくUSより成長し続けるイネーブルメント市場について最新トレンドをお届けします。

セールスイネーブルメントの歴史と今後の展望| Enablement Insight >>

1.セールスイネーブルメントツール市場は花盛り

Research and Markets社レポート (2021) によると、「2020年に13億米ドルと推定されるSales Enablement Platformの世界市場は、2020年から2027年の間に19.5%のCAGRで成長し、2027年には45億米ドルの規模となる」と予測されています。

Amid the COVID-19 crisis, the global market for Sales Enablement Platform estimated at US$1.3 Billion in the year 2020, is projected to reach a revised size of US$4.5 Billion by 2027, growing at a CAGR of 19.5% over the period 2020-2027.

また、セールスイネーブルメントツールの中でもラーニング機能に強みをもつAllegoがForbesに寄稿した記事『Why Sales Enablement Is Critical To Your Post-Pandemic Growth Strategy』 によると、「企業は平均して23種類の学習・能力開発ツールやプラットフォームを利用しており、その数は2011年の2倍となっている」と記されており、企業のイネーブルメント活動にITツールが欠かせないということを強調しています。

Globally, companies are averaging 23 different learning and enablement tools and platforms, double the number from 2011.

近年日本でも認知の広まってきたセールスイネーブルメントツールですが、機能性に優れた製品が次々と誕生する一方、数多くのITツールを導入することにより「管理の煩雑さ」「慣れるまでの現場の負荷」「積み重なるコスト」などといった新たな課題に頭を悩ませる企業も少なくないようです。

最近のUSのイネーブルメントツールベンダーの動きを見ていると、まさにこうした企業の課題に対応するべく、ベンダー同士の合併やパートナーシップを通じた「ワンプラットフォーム化」のトレンドも見てとれます。

昨年、2021年は大手イネーブルメントツールベンダーの合併がマーケットをにぎわせました。Seismicはコンテンツ機能の最大手ですが、Lessonlyという営業育成系機能に強みをもつ会社を買収することで、「業務効率化」に加えて「育成」という新たな分野も支援できるようになりました。対するコンテンツ機能の準大手Bigtincanは「育成・コーチング」に強みを持つBrainsharkを買収し、Seismicと同様イネーブルメントのカバー範囲を拡げることに成功しています。

ベンダー同士の合併やパートナーシップを通じた「ワンプラットフォーム化」のトレンド

また、こういった合併とは別に、各ベンダーはユーザーのエクスペリエンスを向上するためにパートナーを組み、顧客に提供できる機能を補完しあっていることも最近のトレンドといえるでしょう。

日本でも、ここ数年でさまざまなセールスイネーブルメントツールが誕生し、企業の営業活動を支援しはじめています。下の図は、あくまで弊社における営業支援ツールの分類ではありますが、皆さまの組織に必要なツールを選定する際のご参考となれば幸いです。

セールスイネーブルメントツールの機能別カテゴリー

営業成果と育成をつなぐセールスイネーブルメントツールEnablement App >>

2.イネーブルメント対象が収益部門全体に“レベニューイネーブルメント”

これまでお伝えしてきたとおり、セールスイネーブルメント市場は国内外で活性化していますが、現在、USをはじめ海外では“営業部門(セールス)”への支援に留まらず顧客接点を持つ他の部門(Customer-Facing Role)へと対象が拡大していることをご存じでしょうか?

IT企業を中心にCRO(チーフ・レベニュー・オフィサー)を置く企業も増えていますが、The Modelに代表されるような営業組織の分業制が進む中、役割やミッションの異なる部署の連携強化やボトルネック解消のために、マーケティングイネーブルメント、カスタマーサクセスイネーブルメント、パートナーイネーブルメント、SEイネーブルメント、レベニューイネーブルメントなど、顧客接点をもつ全ての部門に対してイネーブルメントを取り入れる動きが起こっています。

顧客接点を持つ組織全体でのレベニューイネーブルメント

ここでもツールやデータは大役を務めており、情報収集にはじまり比較検討、製品購入、継続利用、他者紹介にいたるまでの顧客の意思決定プロセスに関する情報や、各部門の活動データなどが取得できるようになったことで、レベニューイネーブルメントの実現を後押ししているのです。

>”>営業成果と育成をつなぐセールスイネーブルメントツール「Enablement App」が支援対象・機能を拡張し、新トレンド「レベニューイネーブルメント」の実現が可能に>>

3.イネーブラー需要が増加、給料も昨対+約10%に

イネーブルメント市場の盛り上がりに連動するかのように、海外ではイネーブラー(=イネーブルメント推進者)の市場価値が高まっています。

イネーブラーの需要

まずは、イネーブルメントに携わるプロフェッショナルの数の推移を見ていきましょう。次のデータ(『B2B Sales Enablement and Sales Tech SaaS』 より)は、LinkedInで「Enablement」というタイトルがついている人材の推移を追ったものですが、2020年1月から2022年1月の2年間で、実に140%もの伸びを示しています。
イネーブルメント市場の拡大にともない、イネーブラーの存在感がますます増しているといえるでしょう。

LinkedInで「Enablement」というタイトルがついている人材の推移

イネーブラーの給料

つぎに、イネーブラーの給料についても見ていきましょう。
なかなか明かされない事情ですが、SEC(Sales Enablement Collective)が発表した『Sales Enablement Salary Survey 2022 』から一部をご紹介いたします。

(本調査の対象者)
北米・欧州のBtoBビジネスイネーブラーが中心
56.3%女性、43.8%男性
96.8%がFull time, 3.2%がpart time

『Sales Enablement Salary Survey 2022 』調査対象者
  • 2021年の平均値は$107,500/yearに対し、2022年は$119,228/yearと10.9%の伸びが示されている
  • 男性平均は$116,090/yearに対して、女性平均は$103,975
  • 75%がボーナスを獲得しているのに対し、25%はボーナスなしと回答
  • ボーナスを受けた75%のうち、男性イネーブラーは62.5%、女性イネーブラーは81.3%
  • 給料の満足度は「満足」が35.5%(平均$104,410)、「関心がない」が27.9%(平均 $118,879)、不満が36.6%(平均 $123,400)

イネーブラーの活躍の場が広がっていることをお伝えしましたが、給料やボーナスをみるとイネーブラーは性別問わず活躍しているポジションであることもわかるかと思います。

一方、給料の平均額については昨対比で10%上昇しているものの、イネーブラーの満足度にはばらつきがあることがわかります。興味深いことに、給料が「高め」の層は「不満感」を示しており、「低め」の層は「満足感」を示すという傾向も明らかにされています。給料の満足度に関しては、物価指数、生活水準、労働環境などさまざまなファクターで左右されるものなので背景にある要因は一概にはいえませんが、レポートの中では「仕事のボリューム・カバー範囲や責務に対する対価が見合っていない可能性」が示唆されています。

また、本調査の対象者の42%が「近々昇給するだろう」とも回答しており、仕事量が増えていることや責任範囲が広がっているという事実に加え、組織の中でもイネーブラーへの期待値が上がっているといえるでしょう。

欧米を中心に発展してきたセールスイネーブルメントは、近年の環境激変下、成長企業を中心に日本でも導入が進みつつありますが、その勢いは増すばかりでしょう。今後も国内外におけるイネーブルメントの最新情報を定期的にお届けしてまいりますので、皆さまの営業組織・人材変革推進にお役立ていただければ幸いです。

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